身体測定による栄養状態の判定 身体測定による栄養状態の判定

身体測定による栄養状態の判定

身体測定とは、体の大きさを客観的にとらえるために、各部分の長さ、幅、周囲のほか、重さなどを測定することをいいます。得られた資料は個体の発育、発達が正常に行われているか、集団に異常がないかなどの健康管理に活用されます。身体測定にあたっては、信頼性のある値や他と比較しうるデータを得ることがたいせつであるため、検者、場所、器具などによって測定方法や部位に差異のないことが前提となります。このため、国際体力テスト標準化委員会International Commitee of Standardization of Physical Fitness Testsなどで測定方法の検討が行われた。身体測定における測定項目は次のように分類されます。主な測定は、次のとおり、①.長育 身体の長軸に沿った計測。身長、座高、上肢長、下肢長など。 ②.幅育 長軸と直角に交わる方向の計測。肩幅、胸厚、腰幅など。 ③.量育 量的計測。体重、皮下脂肪厚など。 ④.周育 周囲の計測。胸囲、腹囲、手頸(しゅけい)囲、上腕囲、大腿(だいたい)囲など。これらの測定を正確に行うために、身体各部には目安となる測定点が設定されています。また、胸囲は、呼吸の仕方によって異なるため、安静呼吸中間位で測定することになっているし、上腕囲は、肘(ちゅう)関節の屈と伸に区別して測定されています。

身体測定の項目と説明

身体測定は、小学校や中学校で行っているものばっかりで、どの測定内容も馴染みがあるものばっかりです。身長、体重、胸囲、座高、上腕囲、皮下脂肪の厚さなどを測定し、その測定値を組み合わせた栄養指数により判定します。これにより、いままでの栄養状態を把握できると考えられます。

身長測定による栄養調査

身長は、骨格の成長が順調であるかを調べる重要な指標になります。身長に栄養障害の影響が出るまでには、非常に多くの時間がかかるので、現在の栄養状態を表しているわけではありません。身長の低さは過去の慢性的な低栄養を示しています。身長は、骨を増大させるカルシウムやマグネシウムの摂取量だけではなく遺伝的な影響も大きく関与しています。

体重測定による栄養調査

体重は成長や栄養状態の指標として最も普通に用いられています。身長より体重の方が変化しやすく、また、最近の食事状況も繁栄しやすい特徴もあります。体重は身長によって影響されるが、身長に対する体重の比率で肥満や痩せの判定に用いられる事がおおいです。また、最近ではBMIが国際的に使用されている指標でもあり一般的になってきました。

胸囲測定による栄養調査

胸囲と比胸囲は、簡単に説明しますと胸囲を測定して、その胸囲の値が身長に対して比率が大きければ、胸郭内の心臓や肺がよく発達している事を示し、一般的に栄養状態が良い事を示します。

上腕囲測定による栄養調査

上腕囲は、利き腕でない方の腕の周囲を測定します。測定方法は、腕を前側方に水平に伸ばした状態で測定をします。皮下脂肪圧の代わりによく測られます。

皮下脂肪厚測定による栄養調査

皮下脂肪厚は、上腕伸展側中間部、背部肩甲骨下端部の皮下脂肪厚を測定します。この両者の和が男性は40mm、女性50mm以上を肥満としています。

2016年(平成28年)より身体測定は大きく変わる

て文部科学省は、2016(平成28)年度から検査項目のうち「座高」と「寄生虫卵検査」を廃止する一方、新たに「四肢の状態」という項目を追加することを決めました。学校の健康診断のうち「座高」は、1937(昭和12)年度から検査項目に加わりました。当時の徴兵検査の中に座高があり、それにならったともいわれています。戦後もそのまま残っていましたが、データ的には身長と体重だけで十分として座高測定を疑問視する声もありました。しかし、国中のほぼすべての子どもたちの身体データを毎年測定する日本の学校の健康診断は、世界的にもほとんど例がない取り組みで、一度項目を廃止するとデータが途切れるため、医学関係者などが廃止に強く反対していました。ところが、文科省の検討会が調べた結果、座高のデータを活用した研究が実際には少ないことが判明しました。さらに、座高を低く見せようとして子どもたちが背を丸めたりして、測定に時間がかかるという批判が学校関係者の間で多かったこともあり、ようやく廃止が決まりました。同じような経緯で廃止になった例としては、1995(平成7)年度からなくなった「胸囲」測定があります。また、ぎょう虫などの「寄生虫卵検査」は1958(昭和33)年度から始まりました。当時の子どもたちの寄生虫発見率は約3割でしたが、水洗トイレの普及など衛生環境の改善により現在の発見率は1%未満に低下しているため、廃止することになりました。一方、新たに加わる「四肢の状態」は、「四肢の形態及び発育並びに運動器の機能の状態」を観察するもので、まっすぐ立っていられない、和式トイレなどにしゃがめないなど運動不足が原因で筋肉・関節・骨などの発達に問題があると思われる子どもが増えたことに対応するのが狙いです。また運動不足だけでなく、野球やサッカーなど過度に特定のスポーツばかりしてきたことなどに起因する障害なども調べることにしています。具体的には、家庭で書く保健調査票などをもとに学級担任・体育教諭・養護教諭などが判断して、医師が検査するということになりそうです。このため高校では1年時のみに限定されている家庭での保健調査票の記入を、小・中学校と同様に全学年に義務付けることにします。このほか色覚検査は、差別の助長につながる恐れがあるとして2003(平成15)年度から廃止されました。しかし、色覚異常があることに気が付かないまま社会人となる者が増えてきたという指摘があり、資格取得などの際に問題が生じるケースもあります。このため文科省は、本人や保護者の同意があれば健康診断で色覚検査を実施できることを保護者に周知し、子どもに将来の不利益を招かないようすることを、教育委員会や学校に求めています。