小腸での栄養吸収の仕組み小腸での栄養吸収の仕組み

小腸で栄養吸収

吸収は膜消化と吸収で行われている。食物が小腸内を移送されながら消化され二糖類やジペプチドになると、微絨毛にあるグリコカリックスを通り微絨毛細胞膜表面へ到達する。この膜には膜消化酵素が内在酵素として存在をしており、分解されながら膜を通過して吸収される。このように最終消化と吸収初期が同時に行われる事を膜消化という。吸収の仕組みは、グリコカリックスの量や質、膜消化酵素の局在、配列、膜表面に存在する種々の受容体、物質の濃度勾配によって異なってくる。

小腸での栄養吸収の構造(膜の透過)

栄養が腸管腔内から脈管内(毛細血管、リンパ管)へ到達するまでに通らなければならない壁として、まずは微絨毛膜、上皮細胞膜、基底膜、さらには、脈管の内皮細胞と基底膜がある。また吸収される栄養素の分子量の大きさ、さらに物質の溶解度(水溶性物質か脂溶性物質)によっても、吸収の経路、膜の透過の構造は異なってくる。一般的な膜透過機構としての物質の輸送の方法は以下の通り。

単純拡散による小腸での栄養吸収

単純拡散とは、物質が細胞膜の内側・外側の濃度勾配にしたがって受動的に移送する方法で受動輸送ともいう。この場合エネルギーを必要としない。最も一般的な輸送方法であり重要である。単純拡散の速度は膜内外での物質の濃度差が大きいほど早い。水溶性ビタミン、無機質、脂溶性物質などの吸収がこの方法となる。

促進拡散による小腸での栄養吸収

促進拡散は物質の濃度勾配によって吸収される点は単純拡散と類似をし、受動輸送の1つであるが吸収のときに担体(一般にタンパク質)が必要で物質は担体と結合する事により単純拡散より速やかに膜を通過して拡散していく。物質を離した後の担体は再び膜を移動し、膜の細胞外側面で次の分子と結合する。単純拡散と同様にエネルギーを必要としないが、担体の数に限りあるので飽和現象や競合が存在する。この方法による移送はフルクトースでみられるが一般的ではない。

能動輸送による小腸での栄養吸収

能動輸送は、物質が細胞膜の内・外の電気化学的能動勾配に逆らって輸送する現象をいう。しかがってこの輸送にはエネルギーを必要とし、多くの場合はATPがポンプの役割を果たし、低い濃度の管腔内物質を高い濃度の細胞内へ輸送する。担体による輸送として考えられ、細胞内代謝に関与する。一般に分子量100以上の親水物質の輸送に関し、栄養素の中でもグルコース、ガラクトース、アミノ酸、ナトリウム、ビタミンB12などが、この方法により吸収をしている。能動輸送の担体はエネルギーを必要とし活性型となり物質と結合して膜を移動する。物質を移動したあと担体は不活性型となり、膜内でATPからエネルギーをもらい再び活性型となり、次の物質を持つモデルである。輸送に担体が必要なので特異的な反応速度を示し担体の数に限りがあるので物質の濃度が高くなると飽和減少がみられ、類似物質があると競合阻害がみられる。

飲作用による小腸での栄養吸収

飲作用とは、細胞膜の一部が吸収しようとする栄養素を徐々取り囲み、次にそれが陥入した形になり、次第にくびれて膜から遊離し、細胞内の小胞物質を細胞内へ輸送する方法である。細胞外液を飲み込むので飲作用という。飲作用は微生物や細胞破片のような大きい粒子を取り込む作用と本質的には類似の機構による細胞の物質摂取の方法である。新生児では、母乳の初乳中にある免疫タンパク質をこの方法により腸管吸収をする。