各世代別の炭水化物必要量 総エネルギー量の50%~65%が理想的
1日に必要な炭水化物の量(目標量)は、以下の表のとおり各年代別、男女ともに1日に摂取するエネルギーの50~65%に相当する量です。(厚生労働省から5年ごとに発表している「日本人の食事摂取基準」は、たんぱく質13~20%、脂質20~30%、炭水化物50~65%が基準です。)例えば一日に摂取するエネルギーが2,000kcalの場合、50~65%に相当するエネルギー量は、2,000kcal×0.5~0.65=1,000~1,300kcalとなります。炭水化物は1gが約4kcalですから、1,000~1,300kcal÷4=250~325g。つまり一日に250~325gの糖質を摂取することが望ましいということになります。炭水化物には、糖質と食物繊維がありますが、食物繊維はエネルギー量が微量なので炭水化物=糖質として覚えておくと良いでしょう。デスクワークメインで運動量が少ない人の場合、成人女性270g、成人男性330g位を目安にしてください。1日に必要な炭水化物50%~65%となっています。
炭水化物 | 男性 | 女性 |
目標量 (%エネルギー) |
目標量 (%エネルギー) |
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1~2(歳) | 50~65 | 50~65 |
3~5(歳) | 50~65 | 50~65 |
6~7(歳) | 50~65 | 50~65 |
8~9(歳) | 50~65 | 50~65 |
10~11(歳) | 50~65 | 50~65 |
12~14(歳) | 50~65 | 50~65 |
15~17(歳) | 50~65 | 50~65 |
18~29(歳) | 50~65 | 50~65 |
30~49(歳) | 50~65 | 50~65 |
50~69(歳) | 50~65 | 50~65 |
70以上(歳) | 50~65 | 50~65 |
妊婦(付加量) | - | |
授乳婦(付加量) | - |
- 目標量は炭水化物エネルギー比率(%)で示されています。炭水化物エネルギー比率(%)=炭水化物(g)×4/総エネルギー(kcal)×100
- 妊婦、授乳婦では数値の掲載はありませんが、目標量がないということではありません。通常時を参考にして適度な摂取が大切です。
- 上記の目標量にはアルコールに由来するエネルギーも含みますが、アルコールで代用してよいという意味ではありません。
、そば、 とうもろこし、夏みかん、麦芽米、パイナップル、白米、ハトムギ、バナナ、パパイヤ、干しぶどう、りんごなど糖質が多く含まれる食品についてはここを参照
炭水化物の必要量が不足すると疲れやすくなったりイライラの症状が現れる
私たちヒトがエネルギーとして使える栄養素は、炭水化物(糖質)、タンパク質、脂質の3種類がありますが、すぐにエネルギーに変えられるのが炭水化物から分解される糖質です。炭水化物は、体内で消化され糖質としてエネルギーとして使われますが、摂取量が不足すると先ず現れる症状としては疲れやすさを感じる事が多いです。また、炭水化物の摂取量が不足すると脳のエネルギー源でもあるブドウ糖が不足し、集中力の低下など脳の働きを妨げてしまうと言われています。また、炭水化物が不足するとエネルギー不足を補うためにタンパク質がエネルギー源として使われることで筋肉量が減少することもあります。
炭水化物の必要量が多いと肥満の原因に
炭水化物を過剰に摂取すると肥満の原因になることがわかっています。(日本や欧米における観察研究から、白米摂取と糖尿病発症リスクとの関連が報告されています。)炭水化物は、ごはんのイメージが強いですが、ラーメンやパスタなどの麺類、お菓子に含まれている砂糖も炭水化物です。ツイツイ多く食べてしまう麺類や間食に多く摂取するお菓子など食べ過ぎてしまい、1日の必要量よりも過剰に摂取しがちな栄養素であります。日本での報告では女性において、1日に米飯を摂取している量で4分位に分けたところ、最も少ない群に比べ、最も多い群では5年間の糖尿病発症が1.65倍と上昇していました。お茶碗1杯が140gとすると、1日に平均4杯の米飯を食べていることになります。つまり、ごはんをおかわりしたり、スィーツ好きな女性は将来糖尿病になるリスクが高まるようです。
炭水化物を摂取する量と質とタイミングを意識
最近、ダイエットのために炭水化物を抜く食事方法を推奨される方がおられますが、炭水化物だけではなく特定の栄養素を摂取しない食事方法はおすすめしません。(また、リンゴなど特定の食品だけでダイエットする方法もおすすめしません。)私たちの体は、色々な栄養素を摂取することで体組織を構成し体調を整えます。その為、特定の栄養素を排除することは危険な食習慣だと思います。しかし、過剰に摂取しがちな炭水化物の食べ方を工夫することで摂取量をコントロールすることは重要です。特に血糖値を急激に上昇させないことは肥満や健康増進おける重要なキーワードです。1日の摂取量が同じ炭水化物でも一気に食べない(ドカ食いえおしない)同じ炭水化物でも血糖値を急激に上昇させる砂糖などではなく、上昇が緩やかなごはんなどを食べるなどすることで体に及ぼす変化も大きいと言えるでしょう。食べ方を工夫することで炭水化物の過剰摂取しない方法をいくつかまとめてみました。
- カレー、丼もの、麺類は食べやすく普段以上に炭水化物を食べてしまう傾向があるので食べ過ぎに注意しましょう。
- 血糖値を急激に上昇する砂糖を多く含まれるお菓子やジュースなど頻繁に摂取すのは避けましょう。食べるなら夜ではなく朝や昼に食べましょう。
- 一気に短時間で食べるのではなく、時間をかけて食べることがおすすめ。また、食事の間に水やお茶など水分補給することも重要です。また、飲酒した時も飲んだお酒の量と同じ水分を摂取すると翌日にアルコールが残りづらいという方もいますので、興味のある方は試してみてください。